「学校より、みきが大事だから」
【地域】加計呂麻島・諸数
【祭祀】クガツクンチ
【みき】米、砂糖、芋
【作り手】諸数婦人会
【撮影日】2023.10.23
【取材者】砂川、牧
クガツクンチの朝
みき開きの時間よりも早く集まる島人たち
公民館前の土俵を整備しながら、時間を待ちます
そんな中、小学生が、1人、2人と現れます
「おい、学校は?」
とオジサンたちに問われると、少年はエヘヘと笑います
「まあ、どうせ午後から諸鈍シバヤで踊るんだろ?」
「休んでもいいんじゃね~の?」
と寛大な島人たち
そして、いよいよ、みき開きとなると、
小学生たちはドッと甕が置かれたテーブルに群がります
縄をほどき、芭蕉の葉が取り除かれると、
一斉に甕の中を覗き込みます
龜の中には、真っ白なみき
前々日に婦人会の皆さんが仕込みました
婦人会長が椀にみきを注ぎ、振舞われます
まず、長老に
それから、区長さん
そしてそして、小学生たちにも
少年はグビグビと一気に飲み干します
「美味しい?」
「うん」
と、ゴクゴクとみきを飲み干す少年
意地悪なオバサン(私のこと)は、あえてまた聞く
「あれ?そうやあ学校は?」
少年は答える
「学校より、みきが大事だから」
うん
大事だ
何よりも