『琉球弧「みき」サミット2024』は、盛況のうち終了いたしました。
ご来場頂いたお客様、開催にご協力頂いた皆様、誠にありがとうございました。
サミット概要
「みき」を通して島々と人々が繋がり、地域のアイデンティティや誇りを更に高め、地域社会や文化の持続可能性の向上に寄与したいという思いから、『琉球弧「みき」サミット』を開催致します。 ぜひ、お越しください!

初めて「みき」を飲んだのは24年前、私が暮らす来間島の豊年祭でした。「みき」は常に島の暮らし、祈りのそばにあり続けていました。それから、みきの製造販売やワークショップを仕事にするようになってから、奄美大島などの島々で、それぞれの土地の「みき」に出会い、材料や製法も違うことを知りました。個性と多様性、これこそが「みき」の魅力だと感じました。
「みき」は琉球弧の象徴の一つのようであり、文化として「みき」を伝えていきたい、もっと「みき」に関わる島々と人々を繋げていきたい、と思いました。
そして、2023年に琉球弧の島々で生きる島人たちや、研究者、大学などの教育、流通、出版、観光など、様々な産業の方々と連携し「みき」を継承していくための『琉球弧「みき」プロジェクト』がスタート。取材・調査活動を行い、「みき」が持つ歴史的価値・文化的価値の発信を行ってきました。
さらに、この度「みき」を通して島々と人々が繋がり、地域のアイデンティティや誇りを更に高め、地域社会や文化の持続可能性の向上に寄与したいという思いから、『琉球弧「みき」サミット』の開催を目指すことになりました。今年度はプレ開催としてパネル展示のみですが、次回以降は本開催を目指しています。 今後とも皆様のお力添えをいただきますよう宜しくお願い致します。
琉球弧「みき」プロジェクトリーダー
NPO法人来間島大学まなびやー 砂川葉子
開催目的
- 「みき」の継承・普及・発信を通じて、地域のアイデンティティや誇りをより強め、地域社会や文化の持続性を向上させる
- 「みき」を琉球弧の個性豊かな文化として継承・普及につなげる
- 「みき」が持つ歴史的価値・文化的価値で、地域の豊かさや多様性を発信する
奄美大島
10月7日(月)〜13日(日)
- 10/7(月)13:00〜21:00
- 10/8(火)〜12(土)9:00〜21:00
- 10/13(日)9:00〜17:00
奄美市アマホームPLAZA
奄美市市民交流センター 2階マチナカギャラリー
住所:奄美市名瀬柳町2-1
◎後援:奄美新聞社・南海日日新聞社
沖縄島
11月1日(金)〜3日(日)
- 11/1(金)11:00〜18:00
- 11/2(土)9:00〜18:00
- 11/3(日)9:00〜17:00
糸満市場いとま~る
住所:糸満市糸満989-83
◎後援:糸満市・糸満市教育委員会
宮古島
11月11日(月)〜15日(金)
- 8:30〜17:00
宮古島市役所ロビー
住所:宮古島市平良西里1140
◎後援:宮古島市・宮古島市教育員会
石垣島
12月14日(土)・15日(日)
- 12/14(土)10:00〜18:00
- 12/15(日)10:00〜17:00
石垣市役所 「石垣島やきもの祭り」会場内
住所:石垣市真栄里672
◎後援:石垣市
10月7日(月)〜13日(日)
- 10/7(月)13:00〜21:00
- 10/8(火)〜12(土)9:00〜21:00
- 10/13(日)9:00〜17:00
奄美市アマホームPLAZA
奄美市市民交流センター 2階マチナカギャラリー
住所:奄美市名瀬柳町2-1
◎後援:奄美新聞社・南海日日新聞社
11月1日(金)〜3日(日)
- 11/1(金)11:00〜18:00
- 11/2(土)9:00〜18:00
- 11/3(日)9:00〜17:00
糸満市場いとま~る
住所:糸満市糸満989-83
◎後援:糸満市・糸満市教育委員会
11月11日(月)〜15日(金)
- 8:30〜17:00
宮古島市役所ロビー
住所:宮古島市平良西里1140
◎後援:宮古島市・宮古島市教育員会
12月14日(土)・15日(日)
- 12/14(土)10:00〜18:00
- 12/15(日)10:00〜17:00
石垣市役所 「石垣島やきもの祭り」会場内
住所:石垣市真栄里672
◎後援:石垣市
展示内容
回答者:
砂川葉子
琉球王国(1429年~1879年)の王府が編纂させた最古の地誌といわれる「琉球国由来記」には、このような記述があります。
神酒が祭祀にはお供え物として、神前にささげられていたこと、婚礼、接待用に必ず用いられていたことが記されています。また、みきの製法や原材料について、口噛み酒についても記されています。
※『定本琉球国由来記』(編者 外間守善 波照間永吉 出版社 KADOKAWA)の波照間永吉先生、および外間守善先生(の後継の方)に著作権利用許可を得て掲載しています

回答者:
東京農業大学 梶川揚申
「みき(ミキ)」には市販のヨーグルトに匹敵する数の乳酸菌が生息しており、乳酸等によって保存性が向上した発酵食品の一つです。
また、「みき」の種類や発酵具合によって含まれる乳酸菌種や量が異なり、それぞれの「みき」に個性を与えています。今後の研究で整腸作用や免疫調節作用などが見つかるかもしれません。「みき」は植物原料のみで作られているため、乳製品にアレルギーがある人や動物由来の食品を避けている人でも飲むことができる乳酸菌飲料ですね。
「みき」の顕微鏡写真。青い矢印がにょろにょろした乳酸菌.黄 色い矢印が玉のような乳酸菌。

回答者:伝統発酵食研究家 IZUMI
発酵食品の代表的なもののひとつに「甘酒」がありますが、「みき」はその甘酒と比較しても乳酸菌が豊富に含まれています。
甘酒は発酵飲料でももはや定番といえるほど大人気ですが、人によってはお腹にたまる、重すぎるという感想を持たれる方もいらっしゃるのでは?
「みき」は乳酸菌由来の酸味があるので、さっぱり味を好む女性たちの間に人気が高まり、認知度が上がっています。さらっとした喉ごしと口当たりが季節を問わず楽しめ、動物性の乳製品や豆乳が苦手な方にオススメです。
また、フルーツとの相性もよく、スムージーなどのバリエーションも広がり栄養価も上がるため、朝食やおやつ、小腹がすいたとき、ダイエットのときなどにもぴったり!
発酵食品というとハードルが高いイメージを持つ方も多いかもしれませんが、難しい調理をしなくても簡単に腸活できる「みき」で、日々を無理なく楽しく元気に過ごしましょう
回答者:
NPO奄美食育食文化プロジェクト理事長・日本民俗学会 久留ひろみ
「みき」とは鹿児島県の奄美大島から沖縄県全域で飲まれている伝統的な自然発酵飲料である。かつて奄美諸島には新穂花(アラホバナ)というノロ祭祀があった。それは、初穂儀礼で初穂から「みき(神酒)」を作り祝う祭りで、奄美でも「初穂儀礼は稲穂そのものを稲魂として迎えて拝み、それを新嘗すること。」かつては米粒を噛み、「みき(神酒)」を作って感謝するものであったと聞いている。その土地の収穫の感謝である。初穂を迎えて、「みき」を作り共飲する行事であり、神祭りに必要な最高の献上供物である。。
奄美の伝統的な「みき」の原料は米とさつま芋を使う。お神酒の「みき」と同じ名前で現在でも集落で行われる行事には女性たちの手によって作られている。祭祀の「みき」には砂糖は一切使わない。作る日からミシャクビラキ(みき開き)までの3日間はアシャゲ(祭祀場)の中柱に厳重な魔除けをして静かに発酵を待つ。祭りの当日は神役がミシャクビラキ(みき開き)をしてそれを初めは中柱にかけて捧げ、親ノロから居神まで共飲して神に稲の豊作を祝う。それは、その作物の魂への感謝であった。
次第に「みき」は神祭りだけではなく日常に飲まれる飲料として発達普及してきた。かつては各家庭で作っていたが、現在は専門店が多数、見られるようになった。また、昨今の健康ブームもあり、以前より需要は増え、「みき」も時代に沿って果物を加えたり、容器を持ち歩けるようにしたりと多様化してきている。
奄美、沖縄は日本の中でも長寿者の多い地域である。特に徳之島の泉重千代さんは120歳まで長命でギネス世界記録に登録され、同島の本郷カマトさんは116歳まで長命であった。長い期間、栄養学的立場から長寿と奄美の食の研究に関心を寄せてきた。奄美の長寿者の真ん中に存在する「みき」。しかし、奄美、沖縄で飲まれている「みき」の科学的な研究が無いことからエビデンスの研究を行った。
奄美の「みき」についての研究結果は、米とさつま芋を材料とする中から生まれるのは乳酸菌であった。沖縄の麦、粟なども総じて同じである。「みき」は自然発酵が進むにつれて乳酸菌が増えて酸味はさらに増していく。「みき」の健康的エビデンスは、乳酸菌によるものである。それも動物性ではなく植物性であるということは、「みき」の将来には、益々可能性が期待できるものである。
私にとって「みき」は未来へつないでほしいかけがえのない「宝物」である。
【参考文献】
久留ひろみ「奄美大島の初穂儀礼―新穂花の構造―」1991年
沖縄国際大学文学部社会学科
民俗学専攻卒論
回答者
沖縄民俗会会長 荻生俊章
沖縄本島や周辺の島々では、祭事において穀物などを発酵させて作る酒のことをミキやミチ、ウンサク、ウンシャクなどと呼んでいます。
本島北部の国頭村比地・奥間ではウンジャミ祭で「みき」を作ります。米を水で煮て粥を作り、砂糖を加え、さらにミキサーにかけた生のサツマイモを加え、2日間置く方法です。
本部町備瀬では米に麦粉や小豆を加えた材料が主ですが、粟や芋の「みき」も作られたりします。南城市久手堅では米を柔らかめに炊いた後、桶に入れて麦粉を混ぜてから臼でひきます。麦粉を加える方法は恩納村谷茶などでも確認できます。
さらにシンプルなのは伊是名島の諸見や勢理客で、米を洗った後、水に漬けて冷蔵庫で冷やしておき、翌日ミキサーで砕いてから砂糖を加えるという方法です。
麹の素材には米と麦粉、大豆と芋、大麦や小麦と芋、おから・高粱・小麦の組み合わせなど多様です。原料を水に浸けてから、または原料を炊いてから臼やミキサーでひく方法、原料を煮るだけの方法、これらの組み合わせなど様々。簡易的に発酵を早める方法として、砂糖の利用は広くみられます。
このように、「みき」は地域により原料はもとより、麹や製造工程発酵方法も様々で、細かな違いがみられるのです。
臼で冷ました米をひく〔本部町備瀬 2019年〕

回答者:
宮古郷土史研究会 仲宗根將司
神(=人)と共同体の交流
1477年2月、台風で遭難した与那国島で救助された3人の朝鮮・済州島人の帰国談には、このころ宮古・八重山の島々に北の文化が浸透しつつあることを明示している
与那国島で6か月介護された3人は西表島へ送られて5か月介護され、ついで波照間、新城、黒島、多良間、伊良部、宮古島とそれぞれ1か月滞在して順送り那覇へ送られ、2か月後博多商船に便乗して帰国し、衣食住はじめ様々な各島の見聞談を残している(「李朝実録」)
絹織物が宮古、伊良部、多良間島まで、麹による酒が宮古、伊良部島まで、鉄の釜が宮古島まで来ており、ほどなくこれらの品はもとより各種文物は島伝いに与那国島まで行き渡るであろうことを示唆している
酒については与那国島に始まって、どの島でも女性が水につけた米を噛んで桶にかもし3日もすれば飲めるようになる。共同体の御嶽の神にお供えして、おさがりを参加者全員でまわしのみする。御嶽の中で神(=人)と共にある共同体の安らぎの場である。先の大戦後のある時期まで宮古の農村では普通にみられた光景である。「みき」が飲みたくて御嶽を回った、という話も聞いた。
噛む酒がいつか神酒となり、おみきと称されるようになったのであろう
平良市史第九巻資料編7(御嶽編)では、毎週のように船で来間島に通い、古老らから話を聞き、御嶽を回った

回答者:
石垣市文化財委員会委員長 大田静男
祭祀も変貌「みしゃぐ」は注文
「みしゃぐ」は神に供えるために米や粟でつくられた神酒(白酒)である。神酒は石垣島では「うみしゃぐ」「うみしぃ」という。稲粟の収穫祭、「ぷーりぃ」には今年とれた新穀で作つくった「うふみしゃぐ」を神に供える。
八重山では昭和初期の頃まで、「みしぃ」(口噛み神酒)がつくられていた。健康で歯の丈夫な未婚の若い女性たちが、炊いた粳米や一晩つけた生米を噛み砕いて唾液と一緒にかめに吐き出した。それを臼で碾きかめに密閉し発酵させた。三日目の「みしぃ」が最も美味しいという。
粟の「みしゃぐ」は米を「むちぃあー」(粳粟)に変えただけで製法は同じである。現在は炊いた粳米や生米をミキサーですり潰し、砂糖を入れたり、シィークワーサーの汁を香付けにしたりする地域もある。
宮鳥御嶽の「ぷーりぃ」では、神司と給仕が対座して「角皿」、「中皿」と椀を取り換えながら「うみしゃぐ」を注ぎ、歌と手拍子に合わせながら豊作をもたらした神を讃え来夏世の豊穣を予祝し歌と手拍子による「ミシャグパーシィ」(お神酒囃子)の神事を厳かに行う。
現在、八重山では「みしゃぐ」を作り神に供えるところは少ない。ほとんどが業者に注文している。カルピスを代用とした地域もある。アワの栽培が見られなくなり「アワみしゃぐ」はもう幻といえる。
祭祀行事は人と神とが乖離している。「みしゃぐ」文化はいつまで生き残れるだろうか。
宮鳥御嶽の豊年祭のみしゃぐぱーしぃ(お神酒囃子)。白衣は神司で、手にしているのは角皿(つぬざら)で(みしゃぐ)が入っている。お神酒を入れる容器は「ばだしぃ」といい、給仕がうたをうたいながらみしゃぐを捧げている。

沖縄・奄美のみきレポート
宮古諸島
八重山諸島
沖縄島
奄美諸島
2024年度の活動記録
事業概要
米や麦、粟などから作られる飲み物「みき」は沖縄県内および奄美群島で受け継がれ、地域の祭祀とも密接に関わってきた。本事業では「みき」の文化的・歴史的価値の継承・普及・発信に取り組んだ。教育・研究機関と連携し、サンプリング調査や聞き取り取材、意見交換を行い、その記録をホームページや小冊子、パネル展示をとおして発信した。
取組概要
① 調査・取材活動 記録と共有、発信で「みき」継承プロジェクト
調査地:
奄美大島、加計呂麻島、伊良部島・佐良浜、来間島、多良間島、石垣島(白保・伊原間)、竹富島、沖縄市知花、恩納村前兼久、糸満市
②サンプリング調査 伝統×科学で「みき」を継承プロジェクト
製法過程の記録と完成したみきのサンプリング
③地域支援 地域が主体となる「みき」継承の取り組み案策定プロジェクト
日程:11月11日
会場:PALI GARALY
④HPと小冊子による情報発信 奄美群島との連携で「みき」発信プロジェクト
⑤「みき」の認知度をあげ普及させるための発信として、サミットを開催
日程:10月7日~13日
会場:奄美市アマホームPLAZA
日程:11月1日~3日
会場:糸満市いとま~る
日程:11月11日~15日
会場:宮古島市役所
日程:12月14日~15日
会場:石垣市役所「石垣島やきもの祭り」会場内

取材活動および情報発信
地域から聞き取りをし、「みき」の歴史的・文化的価値の発信。継承と地域活性化に繋げる。

特性調査
地域からの要望があれば、サンプリングを実施。「みき」の特性を知り、口承で受け継がれてきた「みき」作りに、科学的視点から製造へのアドバイスを行っています。

調査報告
乳酸菌数などの測定結果を報告。地域が主体となる「みき」継承の取り組み案を共に考えます。

雑穀栽培の復活
「みき」の原材料の栽培 粟や米、麦栽培の復活にも取り組んでいます。

地域から聞き取りをし、「みき」の歴史的・文化的価値の発信。継承と地域活性化に繋げる。

地域からの要望があれば、サンプリングを実施。「みき」の特性を知り、口承で受け継がれてきた「みき」作りに、科学的視点から製造へのアドバイスを行っています。

乳酸菌数などの測定結果を報告。地域が主体となる「みき」継承の取り組み案を共に考えます。

「みき」の原材料の栽培 粟や米、麦栽培の復活にも取り組んでいます。
[お問い合せ]NPO法人来間島大学まなびやー/琉球弧「みき」プロジェクト
- TEL:090-1121-9689(担当:砂川)
- MAIL:miki.ryukyuproject@gmail.com
令和6年度 沖縄文化芸術の創造発信支援事業
『琉球弧の「みき」継承プロジェクト』