琉球弧「みき」モノガタリ

わしたちについてのスライドショーです

あの日、おばーが作ってくれた味。

優しくて、ほろ甘くて、笑顔になれた記憶。

昔を思い出す人も、初めて知る人も
みんなを繋いでくれるもの。

琉球弧の島々で愛され育まれている「みき」は、
米や粟などを原料にした飲みもの。

地域や家庭で愛されて、神事や祭りにも使われる「みき」の周りには、いつも人々が集い、笑顔があふれています。

私たちは、そんな「みき」の物語を、伝え、つなぎ、広げていきたい。

「みき」がある暮らし、
それは、幸せを紡ぐ時間そのもの。
喜び味わう日々を、あなたにも。

島々で異なる
みきの原料・作り方

亜熱帯の気候と風土、そこで生きる先人たちの智慧が「みき」を生み、食文化を育んできました。 琉球弧の島々それぞれが歩んできた歴史や言葉が違うように、「みき」も島によって原材料や製法が異なります。例えば、奄美群島は米とサツマイモと砂糖で、沖縄島の糸満では米と麦芽と砂糖で、宮古諸島は米と麦麹で、伊良部島は粟だけで作り、竹富島ではシークワーサーで風味をつけます。 そのため、発酵感や甘さ、酸味、とろみ具合や香りなど、「みき」の風味ははそれぞれです。「みき」は個性と多様性に溢れています。

みき便り

加計呂麻島「みき」モノガタリNo.1
2024年3月12日
加計呂麻島「みき」モノガタリNo.1
「学校より、みきが大事だから」【地域】加計呂麻島・諸数【祭祀】クガツクンチ【みき】米、砂糖、芋【作り手】諸数婦人会【撮影日】2023.10.23【取材者】砂川、牧クガツクンチの朝みき開きの時間よりも早く集まる島人たち公民館前の土俵を整備しながら、時間を待ちますそんな中、小学生が、1人、2人と現れます「おい、学校は?」とオジサンたちに問われると、少年はエヘヘと笑います「まあ、どうせ午後から諸鈍シバヤで踊るんだろ?」「休んでもいいんじゃね~の?」と寛大な島人たちそして、いよいよ、みき開きとなると、小学生たちはドッと甕が置かれたテーブルに群がります縄をほどき、芭蕉の葉が取り除かれると、一斉に甕の中を覗き込みます龜の中には、真っ白なみき前々日に婦人会の皆さんが仕込みました婦人会長が椀にみきを注ぎ、振舞われますまず、長老にそれから、区長さんそしてそして、小学生たちにも少年はグビグビと一気に飲み干します「美味しい?」「うん」 と、ゴクゴクとみきを飲み干す少年   意地悪なオバサン(私のこと)は、あえてまた聞く「あれ?そうやあ学校は?」 少年は答える「学校より、みきが大事だから」うん大事だ何よりも
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奄美大島「みき」モノガタリNo.1
2024年3月2日
奄美大島「みき」モノガタリNo.1
奄美大島「みき」モノガタリ 「これぞ、これが、みきの正しい飲み方です、とポスターに、したいね」【地域】奄美大島・大和村思勝【祭祀】クガツクンチ【みき】米粉、芋、サツマイモ【作り手】思勝老人クラブ、思勝婦人会【撮影日】2023.10.22【取材者】砂川みきを飲み干そうとする少年の体はえび反りに。コップの底にへばりつくように残る「みき」傾けても傾けても下りてこない待っても待っても下りてこないそれほどにトロミが強い大和村思勝のみき指ですくいとるか、水で薄めるか、あきらめるか、様々な飲み方があれど、みきが相当好きに違いないこの少年の愛らしさよ愛おしい限りです写真を見せると、シマの人は「これぞ、これが、みきの正しい飲み方です、とポスターにしたいね!」と大絶賛えび反りでみきを飲むこれが、正しい飲み方です     ※こちらの写真は、少年と御両親にご許可をいただき、ホームぺージ、小冊子でも使わせていただいています ありがとうございました
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花田の「みき」モノガタリNo.1
2024年2月25日
花田の「みき」モノガタリNo.1
「ミキはただの商品ではないんですよ。ミキは文化なんです。」3年前、初めて花田社長にお会いした時にいただいた言葉です。みきは、ただの商品として、食品として、飲料として、存在しているのではない「みき」は文化なのだそう花田さんは仰っていました。島人たちは買ってきたミキを賞味期限ギリギリまでおいて、酸味が出るのを待ってから飲む人が多いと。そんな風に、みき、という飲み物を楽しみながら、発酵を楽しみながらみきを飲むのが奄美流だと。奄美の地で、70年以上みきを作り続けてきた人たちの この言葉があったから、今のプロジェクトに行きついたようにも感じます   花田のみき店 鹿児島県奄美市名瀬鳩浜町27 取材者 砂川
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みき・ミキ・神酒のはなし、から琉球弧「みき」モノガタリへのお引越しのお知らせ
2024年2月25日
みき・ミキ・神酒のはなし、から琉球弧「みき」モノガタリへのお引越しのお知らせ
【みき・ミキ・神酒のはなし、は、琉球弧「みき」モノガタリ内のみき便り、に引っ越します】2020年の1月から続けてきた、みき・ミキ・神酒のはなし、は、2024年3月より、琉球弧「みき」モノガタリ、に統括することにしました。これにあたり、みき・ミキ・神酒のはなしを始めることになったきっかけから、 琉球弧「みき」モノガタリへと繋がっていく経過を記しておきます。 2017年、友達からの依頼を受けて「みき」作りワークショップをはじめ、その翌年2018年1月から公設市場の店舗で「みき」の販売を始めました。 みき、は、豊年祭でいただくものでもあるし、オバァが作って飲んでいるのを見てはいても、これを仕事にしていこう、外に発信していこう、と思ったことはありませんでした。 だけど、ワークショップでいただいた「毎日飲みたい!」というお声や、地域の方々の後押しもあって、「みき」の製造販売が始まりました。だけど、店頭で、毎日、毎日、「みき」って何ですか?と聞かれる日々でした。ああ、みきって、こんなにで知られていないんだ~と痛感しました。 そして、もう一つ知ったことがありました。それは、来間島以外の、他の島にも「みき」がある、ということです。当時のお店の看板には、「みきは来間島独自の飲み物」と書いていました。それがたまたまネットに上がったところ、炎上しちゃいました。 「みき」って奄美にもあります、来間島だけのものじゃないですよ、というコメントが続々と寄せられました。ごめんなさい!知りませんでした!教えてくれてありがとうございます!と、一人一人にお伝えしたこともあります。 そんな日々で、自分も色々と勉強していく中、「みき」の面白さにどんどんはまっていきます。 発酵食品としての面白さはもちろん、「みき」を取り巻く島の人々の姿、暮らしに魅了されていました。もっと「みき」のことを伝えていきたい、残していきたいという思いが芽生えてきました。 そして、来間島のみき、のことだけでなく、 「みき」全体のことを伝えて行けたら、という思いが芽生えだしていました。みき製造販売という仕事をしている以上は、やはり自分の島の「みき」のことを知ってほしい、飲んでほしい、買ってほしい、という気持ちは当たり前にあります だけど、「みき」のことをやる、ということは、それだけではダメなんですよねそれは、「みき」は神様からの授かりもの、だからです神様から与え賜うたものだからです。自分の「みき」だけの発信で終わってたらダメだ、もっと「みき」を知ってもらう、みんなの「みき」を知ってもらうことをしていかなくちゃだめだ、というのは当時、私が感じたことでした。 わたしのみき、来間島みき、を伝える。そして、同じように、他の島々のみき、も伝えていく、この両方を伝えていく、その思いが、私の両輪となりました。以来、4年以上、毎週金曜日に、ブログで琉球の島々の「みき」のことを書き続けてきましたそして、奄美大島や加計呂麻島、沖縄島、などいった先々でも「みき」を訪ね、交流を重ねていく中で、「みき」が島によって味わいが違うこと、材料や製法が違うこと、個性と多様性に満ち溢れていることを知ります。 「みき」が琉球弧の象徴であるように感じます。そして、琉球弧「みき」モノガタリプロジェクトへ繋がります。みきの個性と多様性、共同体の中でただあり続けてきた「みき」と人の暮らしみきがいて、ひとがいるそんな営みをもっと伝えいきたい。今後は、琉球弧「みき」モノガタリのホームページの内容の拡充、小冊子の第2号発行に向けて、力を注いでいきたいと思います。そのため、ホームページ内のブログへとお引越しします、となりました。 3月から、新しくここで始めていきます。 どうぞ宜しくお願いします来間島みき主宰/琉球弧「みき」モノガタリプロジェクトリーダー 砂川葉子
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琉球弧「みき」モノガタリプロジェクト活動報告 No.1
2024年2月19日
琉球弧「みき」モノガタリプロジェクト活動報告 No.1
【琉球弧「みき」モノガタリプロジェクト活動報告のご案内】 2月20日(火)に報告会に登壇いたしますので、ご案内をさせていただきます。琉球弧「みき」モノガタリは、沖縄県文化振興課の琉球歴史文化コンテンツ創出支援事業を、NPO法人来間島大学まなびやー(来間島みき)が採択し、プロジェクトを進めてきました今回、その報告会が以下の日程で開催されますので、ご案内をさせていただきます。当プロジェクトは、6番目の登壇ですプロジェクトリーダーの砂川葉子が登壇させていただきます。[事業名]琉球の『みき』文化の継承とブランディング事業[事業者名]特定非営利活動法人来間島大学まなびやー[事業の概要]「みき」という琉球の食文化や神事との関わりを次世代に継承し産業の活性化に寄与するため、①歴史・文化を学ぶコンテンツ、②発酵食品としての効果を伝えるコンテンツの制作、および③「みき」関連商品の開発等を産学連携で行いました。どうぞ宜しくお願いしますーーーーーーーーーーーーーーーー令和5年度琉球歴史文化コンテンツ創出支援事業補助事業者成果報告会 開催概要ーーーーーーーーーーーーーーーー1. 開催日時:令和6年2月20日(火) 13:00~16:30 [第1部・成果報告会] 13:00~15:20 [第2部・講演会]  15:30~16:302. 会場:沖縄県立博物館・美術館 3階講堂(那覇市おもろまち3-1-1)3. 入場料:無料 (事前申し込み不要)※当日は名刺1枚をお持ちいただけますと幸いです。4. 登 壇 者[第1部・成果報告会(10事業者)] -株式会社セルリアンブルー-- 株式会社あしびかんぱにー- 株式会社ラジオ沖縄- 創造的琉球泡盛教育コンテンツ事業推進チーム- 一般社団法人C-BRASSウインドオーケストラ〇 特定非営利活動法人来間島大学まなびやー- Luchu合同会社- 株式会社よしもとエンタテインメント沖縄- 沖縄県三線製作事業協同組合- 株式会社近畿日本ツーリスト沖縄・クラブツーリズム株式会社共同企業体[第2部・講演会]講師: 嘉数 道彦 先生(沖縄県立芸術大学 音楽学部 准教授)沖縄県では、新たな文化産業の創出に向け、文化芸術に関わる県内の団体等が琉球の歴史文化に由来する文化資源を活用し、様々な分野の産業と連携してコンテンツを創出する取り組みを支援・補助する「琉球歴史文化コンテンツ創出支援事業」を令和4年度から実施しております。本年度は10件の補助事業が採択されました。このたび、各補助事業者がそれぞれの事業に取り組んだ成果や今後の展望などを広く共有するため、「補助事業者成果報告会」を2月20日に沖縄県立博物館・美術館にて開催いたします。また、本報告会では、これから文化コンテンツの産業化を検討している文化芸術団体・事業者等向けに講演を行います。多くの皆様のご参加をお待ちしております。
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来間島「みき」モノガタリ
2024年2月7日
来間島「みき」モノガタリ
来間島「みき」モノガタリ「昔は島中みんなにンツ(みき)を配ったさあ~。チューカァに入れてよ」【地域】宮古諸島・来間島【祭祀】ヤーマスプナカ【みき】マスムイのみき【作り手】Kさん【撮影日】2023.9.23【取材者】砂川 島はやがて豊年祭、来間島の豊年祭にはみきが欠かせない存在ですひ孫が誕生した初子さんのお宅では、豊年祭の日に、みきを近所の方々に配るそうですヤカンにみきを入れ、一軒一軒と回るのだと初子さんが教えてくれましたそして、貴重な手作りみきを頂きましたあえて酸味を控えめのところで留めて、お砂糖を入れた甘いみき、とても美味しかったです!ありがとうございました!
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石垣島「みき」モノガタリNo.1
2024年2月7日
石垣島「みき」モノガタリNo.1
石垣島「みき」モノガタリ 「粟のみきは、もう白保だけさあ」【地域】八重山諸島・石垣島・白保【祭祀】プーリン【みき】粟みき、と、マガリス【作り手】ハツオバァ【撮影日】2023.8.11【取材者】砂川 豊年祭のみきを特別に飲ませていただきました。粟の薄い黄色が美しい、優しい色のみきでした。とても美味しかったです。初オバァの仰る通り、粟でみきをつくる地域は、もうわずかになっています。本当に貴重な貴重なみきです。ありがとうございました
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竹富島「みき」モノガタリNo.1
2024年2月7日
竹富島「みき」モノガタリNo.1
琉球の「みき」文化を未来へ島々のみき編 No.4「孫が、オバァのみきが好きって言うから」【地域】八重山諸島・竹富島【みき】米、砂糖、シークワーサー【作り手】Hさん【撮影日】2023.8.13【取材者】砂川竹富島の祭祀の中心となるHさん宅にお伺いしました。豊年祭でお供えした後の、みきをとっておいてくださり、飲ませてくださいました。とても貴重な貴重なみきをいただけて、有難い限りでした。すっきりとした甘味と爽やかな酸味で、とても飲みやすい「みき」孫のRちゃんはオバァのみきが大好きだそうで、いつも多めに作っているそうです竹富島の話もたくさんたくさん聞かせてもらいました。ありがとうございましたまた、11月、12月にお伺いしました このモノガタリの続きは、琉球弧「みき」モノガタリのブックレット版で紹介してます。
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